心のカルテ
2017年/アメリカ/107分
リリー・コリンズ/キアヌ・リーヴス/キャリー・プレストンほか
決して明るい話ではないです。テーマ、拒食症ですからね。
それなのにちょっと笑えて、ちょっと泣ける。しみじみ心が温かくなる感じ。
そして、好き嫌いの分かれる映画でもあるかな、とも思います。
すっきりした正解が出るわけでもないし、ハッピーエンドか?と言われるとちょっと微妙。
でも人生って、往々にしてこういうものですよね。
ちなみに↑に紹介動画載せていますが、ここから受ける印象より、暗くて静かな映画だと思います。
主人公のエリンは、ある出来事がきっかけで拒食症となり、入退院を繰り返し、最後の望み的に、摂食障害の子を集めたグループホームに入ります。
そこには、年の近い、いろいろな背景を持つ摂食障害の仲間がおり・・・というと「青春モノ?」という感じですが全然です。
まず会話がおかしい。
「アイスクリームは吐きやすいのよ」「あなた、吐くのは試した?」
「腹筋してたよね?言いつけるよ!」「あなただって下剤飲んでたでしょ」
てな会話が繰り広げられる。・・・いろいろおかしい。
おかしいけど、「そんなのおかしいよ!」ていう、正論を吐く人がいないので、それが当たり前というか日常として描かれる。
それが、妙にリアリティがあって、実際、摂食障害ではない私には理解できないのだけれど、それでも何か、背筋にすっと、くるものがる。
主人公のエリンには妹がいて、これがまた、いかにもハイティーンの女の子!って感じのむちっとした体形で、エリンとは正反対に健康的なんです(全然太ってないですよ)。
この妹との対比が、エリンがいる世界を余計に別世界みたいに見せている気がします。
主役のリリー・コリンズは、拒食症だったことがあるらしく、この役をやるにあたって役作りで随分痩せたらしい。
多分、特殊メイクもしているのだろうけれど、本当に折れそうな身体で、見ていて、いたたまれない気分になる。
さすがに骨の浮き出た背中とかは、協力している実際の患者さんかな??と思いますが・・・本人のだったら、ちょっと、ホント心配になるレベル。
正直、映画終盤のシーンは好みではないです。ネタバレになるので書きませんが。
ちょっとご都合主義というか、宗教っぽいというか、ね。
でもそれを差し引いても、素晴らしい映画だと思います。